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ドロップ

5月1日快晴

風景写真で小綺麗な蛍の写真は見たことはあるが、 実際はどんなものだろう、僕は蛍の光を見たことがない。 真夜中、鈴虫にも似た心地よい鳴き声が聞こえ、お気に入りの写真集と自分の新作を見る。 書斎の小さな窓からは、小さな池と、小さな外灯が見える。 ずいぶんな時間だが、映画を見て夜更しをする。 すると4歳の女の子が僕の書斎に入ってきた。僕は一緒に映画の説明をしながら見た。 「どうしてホタルはすぐ死ぬん?」 「こっちがお風呂で、こっちは台所!」 幼い頃見て、目を背けたかった、二度と見たくなかった映画である。 だが15年ぶりに見て思ったのは、1年に一度この映画は必ず見ようと思った。 米粒一個に感謝し、水に感謝し、当たり前に生きていること、 ましてや写真芸術などを出来ていることに感謝。 一緒に映画を見ている4歳の女の子は僕の娘。

主人公と同じ年くらいの女の子。 大切なのは、人間による人間同士の、

戦争の悲劇を常に思い続けることだろう。 空になったドロップには少しの甘み。 火垂るの墓に、少しの涙と大きな生きる力。

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