119の69です
5月25日梅雨の始まりそうな雨

僕は5年間から月に一度、行きつけの医者に行く。
別に大層な病気でもなく、不幸自慢でもない。
先日はその5年間で、初のベートーヴェンで、どうかなりそうになった。
受付も、医師も、もう私の対応には慣れている。
僕が大っ嫌いなTVを、周りのおばちゃんや、おじちゃんなど、
世間話をしながら嬉しそうに僕の大っ嫌いなTVを見ている。
僕は下を向き本棚にいつも置かれている、天皇陛下誕生祭という写真集を
ボーーーっと見る。見る、呼ばれるまでひたすら見る。
すると、いつものように「内倉さーん」と大きな声で呼び出され、血圧を測るのだ。
ショパンが静かに流れる空間だが、
今回は違うベートーヴェンの運動会でよく流れる、そう、あれだ。
そいつが小さな音で流れているのだ。おい、血圧だぞ?と思いながら
「内倉さん元気ですか〜?」など、いつも通りの平凡な会話を30秒する。
月に一度の今日の血圧は「はい。119の69ですね」。
なんて僕の血圧は、ふざけた数値なのだと思いながら、支払いをし、そそくさと車に乗る。