かすれていく
9月13日 曇り

下痢のような騒音のマフラー+大日本帝国のヘルメット。
何も意味のない走りだからこそ暴走族。
僕は配達が好きで車内の今日のお気に入りは「夏をあきらめて」研ナオコである。
1980年に発表された曲で僕はまだ生まれていない。
なんて素晴らしい曲なんだ、聞くならこの季節しかないだろう。
車の窓を全開に開け、100円で出汁をとっているアイスコーヒー+セブンスター。
曇り空の僕の町は心地よい風。町並みを見るとなんて美しいただの町並み。
運転をしながらコンデジでスパスパとシャッターを切っていく。
嗚呼、素敵じゃないか。こんなにも気持ちの良い季節。
そんな事は、お構いなしに僕の隣を暴走族は駆け抜けていき、
研ナオコは更にかすれていく。
まあいいじゃないか。僕はもう大人なのだ。
だが次の瞬間にもっと暴走する方がいた。
ノーヘルおばあちゃんは更に自由。
いいじゃないか。素敵なんだから。