お月様が追いかけてくる
11月13日 少の過労。晴天。

「夜、口笛を吹いたら蛇に襲われるわよ」そんな記憶が少しある。
僕は多分、記憶が薄い爺さんタイプかもしれない。
同級生に「こないだ見かけたよ、久しぶり」など突然メールで言われても、
本人に会って顔を見ないと思い出せない。
名前を覚える気がないのか、記憶から消そうとしているのか。
しかし撮影した方の顔は未だに覚えている。その記憶力は自慢出来る。
となると僕は/写真=記録/この作業が最も適している、最も生きてく道なんだろう。
それにしても昼間に見る月はなんて不思議なのだろう。
この記憶は子供の頃からずっとある。昼間に月が見えるなんてどうなっているんだ。
ここで調べようとしないものだから僕はアンポンタンだ。
娘は「パパ、お月様が追いかけてくるねぇ」なんて素敵な事をさらりと言うのだろう。
「パパ、ありがとうと言って捨てるんでしょ」なんて聖母マリア役だろう。
泣きながら歩く一人ぼっちの夜。
口笛を吹きながら夜道を歩くほど素敵な男ではないのが僕だ。
追いかけても 追いかけても逃げて行く月のように。
そんなTHE YELLOW MONKEYが様になるのは僕ではなく娘だ。
悲しみは星の影に、月の影に、坂本九。
悲しみの果て、エレファントカシマシ、
/悲しみの果てに何があるかなんて俺は知らない、悲しみは星の影に、月の影に、
泣きながら歩く一人ぼっちの夜。追いかけても追いかけても逃げていく月のように。/
勝手に歌詞と歌詞を繋げるとこうなった。
さあ、いつにも増して作品に徹底して向き合うぞ。
撮り下ろしWEB発表
最新作「分離と融合」より「ポスター」一枚抜粋。