ただひたすらに撮ってしまえ

さて、図録差し上げますで残り9冊になった。そして、これが僕のコニカミノルタフォトプレミオの最後の文章になる。個人FBでもあった通り僕は目録、表彰状を婆ちゃん犬のSAKURAに見せに行った。「グウグゥウぅぅ」と低い声で威嚇する様子はなく、クンクンと表彰状と目録の匂いを嗅いでいた。その光景を今度は最も可愛く撮影した。作品としてではない。
十分に匂いを嗅がせたら書斎に飾る場所を探した。全ての宝物は僕の書斎に管理している。この表彰状はやたらとギラギラしている。長年、文化支援をしてくださったコニカミノルタに感謝だけではなく、前にも言ったが「個展しました、賞受賞しました、」で終わる"えっへん"ではなく、これからが本当なのだ。
その本当は何だろうか。
出版、個展、受賞、美術館コレクション、海外進出、どれも写真家に限らず美術家なら大事なことだし、なかなか出来る事ではない。むしろやらなくてはいけない。本質は見る、撮る、知る、発表する事なのだから。
地位や名誉のためにコソ泥のような真似をせず、純粋に作品を撮るのだ。
ただひたすらに撮ってしまえ、自分が何者か分からないほどに。
その写真を第三者が見た時に、作者を忘れるほどの作品になれば永遠になるだろう。
撮ることの揺るぎない背景と目的のない目的に立ち向かい、自分を徹底して追い込め。
貴方が思っている以上に貴方の事など、どうでもいいし、僕のこの言葉など更にどうでもいい。
徹底して24時間写真家であり続ける。
死ぬほど自分を追い込み、ただひたすらに撮る。
自分が何者か分からないほどに。
分かった時には次のステージがきっと待っているだろう。
thank you コニカミノルタフォトプレミオ