ただひたすらに
個展"PORTRAIT"が無事、終了しました。沢山の皆様、有難うございました。

大阪の写真専門のコマーシャルギャラリー・BLOOM GALLERYにて今年の春ARTISTにさせていただき、BLOOM ARTISTによるグループ展"花咲(わらう)"展から始まり、今回、BLOOM GALLERYでの初個展"PORTRAIT"を開催させていただきました。
最新作を披露する案もありましたが、ギャラリストの方と打ち合わせをし、関西の方々に僕の事を知ってもらうために「肖像」「人間図鑑」をメインとしました。このシリーズはコンペやグループ展で発表はしているものの、個展は初めてです。僕の分岐点でもある2008年の冬。僕は東京から宮崎に戻り空白の1年間を経験しました。それは大阪、東京でストリートスナップばかりを撮影していた自分が、宮崎に戻りその環境から外れ、何から撮ろうか、どこに向かえばいいのか、果たして僕は写真作品を続けられるのか。ギャラリーも、美術館も、写真作家も、もう身近にはいない。僕は写真作品をやめるのではないか?そのような空白の1年間。それは僕にとってあまりに過酷すぎる1年間でした。そんなある日、蝉が勢いよく鳴き、ハイコントラストな空、真夏。真っ白な道沿いの壁に野球少年が汗だくで立ちすくんでいました。その少年には突き刺さるような光と影、汗はその光でよく輝いており野球帽の影からはギラギラした光に突き刺された瞳がありました。
その瞬間、なんの迷いもなくポートレートを撮ろうと思ったのです。 黒い布と自然光のみ。レフもなし。「肖像」2010年発表。 白い布と自然光のみ。レフなし。「人間図鑑」2011年発表。 布は無地で何もない。布には背景に都市や様々な物事が写っていないだけ。僕は被写体に自分の妄想/構想/狂気/殺伐/刹那/全てのアイデンティティを入れ込んだ。結果、それを等身大以上の大きさにプリントして発表はCanon写真新世紀、清里フォトアートミュージアムから始まったのです。そこからは、もう迷うことなく「佳子」「犬の戦士団」「分離と融合」そして最新作「BABY」とシリーズが始まりました。
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ギャラリスト窪山さんは、僕とたまたま同じ歳、同じ九州。様々なアートコンペの審査委員を務めるなど、活躍されています。いつ休みをとっているのか、どれほどのエネルギーなのか、作家のために一緒になって、全て一つ一つ鮮明に打ち合わせをする。そして販売も。搬入の日は様々な出来事が起こり、僕も動揺もしたけど、それでも開催をしてくれた。台風までおまけに来たけど無事にイベントも終わった。改めて思ったのは作家とギャラリストは絶対的な信頼関係であることだと思ったのです。
写真家にとっての着地点は発表する場です。それは個展です。僕はBLOOM ARTISTにさせていただいて、改めて有り難みを感じている。僕は、今書斎でカタカタと文章を打ち込んでいるけど、感謝しかない。 だから僕は、もっと上を目指していくんだ。そして作品を磨き上げていく。 ただひたすらに自身と向き合い、写真を撮っていくんだ。