これでBABYに決着をつけるんだ。僕はそう思っていた。

宮崎の僕は薄着のままEMON PHOTO GALLERYに向かった。驚くほど寒かった、それはそうだろう。気が付いたら気温や着替えなど何も考えずに行ったのだから。公開審査の前夜、僕は沢山の食事をとった。そしていつもより沢山のチョコレートも。東京は久しぶりでもないのに、7年間も住んでいたのに、広尾に着くなりそわそわする。そのそわそわは緊張感だろうか、僕が普段感じている心地よい緊張感ではなく、緊張しかない緊張感だった。公開審査の朝、集合時間より無駄に早く着きすぎて余計に寒くなる。でもガラス越しに僕の作品をじっと見る時間ができた。その時間ほんの15分、そしてタバコを2本。なんだか幸せな気分だった。 集合時間になりファイナリスト7名の作家が揃う。搬入の時とはまた違う表情だった。もちろん僕もそうだろう。それでも笑顔で挨拶を交わす。同じ仲間そしてライバルとして。時間が近づくにつれ審査員と一般の皆様が集まる。いよいよ始まるんだな、これでBABYに決着をつけるんだ。僕はそう思っていた。プレゼンテーションが始まる。プロジェクター、暗記、ノートなどやり方はそれぞれで、みんなしっかり準備をしていた。僕は6番目でファイナリストそれぞれがプレゼンしていく姿を不思議な気持ちで見ていた。それは勝手にも頑張れ!そう思っていた。そして不思議とプレゼンが終わると皆が自然に握手を交わしていた。なんだか気持ちが綺麗になってくる。でも、僕の出番が近づいていくと急に寒くなり、気分が悪くなってきた。どうしてだろう、緊張することなんて今までないのに、なんでこんなに緊張しているのだろう。スタッフの方は優しく、ここにいたら暖かいですよ。