限界突破を探すための突破口を探す


「記憶がなくっていきます」そんな言葉を聞き僕はどうしていいのか分からない。僕はその人に何をしてあげられるのだろうか。考える日々が続いている。相変わらず今日も蝉の鳴き声と青空だ。そういえば数年前に見た素晴らしい映画をふと思い出した。だけどタイトルが思い出せない。その映画の内容はとてもシンプルで、生きる素晴らしさ、そして命の尊さを神秘的に表現している。見た目は赤ん坊で生まれているが精神年齢は90歳ほどなのだ。そして歳を重ねていくとともに若返っていく。最後に実年齢90歳になると精神年齢は赤ん坊の状態でまともに話せず死んでいく。そんな映画を思い出した。僕は何をしてあげられるのだろうか。僕のことも忘れてしまうのだろうか。僕は写真表現をしているのに、どうしたらいいのか。ちっとも分からない。

やりきった気がしたまま、まだまだと自覚している。写真家の道は終わりはなくて、更なる表現を目指そうとすればするほど、その道はとても厳しいかもしれない。だが、ただひたすらに撮る。そんな気持ちは決して忘れないし体に染み込んでいる。そしてそれは、とても有難く楽しいものだ。「十一月の星」の制作をしながら、僕は「Collection」という完全未発表のカラー新作も制作していた。Canon写真新世紀で優秀賞を受賞したものの、またそこから新たな物語が始まる。いや、もう既に始まっている。今だからこそしっかりと自問自答をしなければと思う。どのように僕の「Collection」を見てくれるのだろうか、そこに集中しながらも、同時進行で現在は被写体を探らない行為。そんな作品(モノクローム)を撮り始める準備段階にいる。それは写真表現の限界突破を探すための突破口を探しているかのようだ。見つかった時、僕はどうなっているのだろうか。

今日の画像は台湾で開催する個展の告知画像。今年3月に台湾で開催されたWFDでキュレーター賞を受賞した作品「犬の戦士団」9月1日ー9月16日(好評のため9月30日(日)まで延長になりました。)まで台湾の台北にある居芸廊G.GALLERYで個展を開催する。そのGALLERYは2フロアに分かれていて、もう一つのフロアでは「十一月の星」も同時開催。今年はやりきらないといけない年になり1年間がとても長く感じている。こんな時はお酒でもチビチビ飲んだら楽になれそうなのだが、全てにおいて素面で向き合うと2年前に決めたからこのまま突き進む。でも先月は自分のご褒美に大切な方々と呑んだ。そうだ........次は11月にお酒を呑もうと思う。