太陽の光りは真っ黒な海を金色に照らし

January 19, 2019

 

 

父が毎年楽しみにしていたおせち料理はキャンセルせずに受け取りに行き、お供えをして皆んなで楽しく食べた。常識があまりなかった面白い父だ。きっと喜んでいるはずだ。さて、父との約束をどう果たしていくのか毎晩考えてる。寝れやしないし、母も心配だ。そして子供達をお風呂に入れたら、夜また会社に行き仕事をする。そういえば、母、姉、娘、甥っ子、親戚は夢に父が出てきてニコニコと笑っている姿を見たみたいだ。僕は幼い頃から夢を一切見たことがない人間で「夢で逢えたら」そんなどうだっていい言葉を今になり毎日のように思い少し悔しく思う。

 

 

さて、元旦はどう過ごしただろうか。大晦日の夜、僕は初日の出を見るか迷っていた。どこにいようが光は必ず来るのに、いずれにせよ初の日の出になるのに。「十一月の星」「Collection」を撮り終わった僕は、11月後半から海ばかり撮影していて、やっぱり初日の出を撮りに海に行った。朝4時。とてつもなく寒い。風呂に入り5時頃、カメラを助手席において出かける。スマホは便利で日の出の時間を教えてくれる。7時13分のようだ。時間が余っているしどうしようか。とりあえずコンビニに行きホットコーヒーとセブンスターを買う。そして再びエンジンをかける。押すボタンを間違えて、幼い頃から大嫌いなラジオを押してしまった。「しまった」と思いながら、CDに変えようとするとQueenの"Bohemian Rhapsody "が流れていた。聞いたことがある名曲だ。なんて素晴らしいのだろう。ダウンロードしてCDにして爆音で聞きながら海に向かう。

 

 

高校生のカップル、暴走族、ウォーキングする人々、焚き火に寄り添うカップル、焚き火で裸になりお酒を呑んでいる人々、車内で眠っている家族、自撮りする人達、皆んなが初日の出を待ちわびていた。僕は、いつもの海でカメラを持ちひたすら歩きながら写真を撮っていた。空が明るくなってきて見学する人々のテンションも上がっている。僕は足を止めてポディションを決めて海にいるたくさんの人々に目を向け写真を撮り、そして太陽は美しく羽ばたく鳥達と共に上がってきた。

 

 

「お父さん。今日は、おせちがあるよ」

 

 

そんな独り言を小さな、小さな声で言っていた。ブツブツ独り言を言っている自分を自覚していながら、僕はその独り言を言いつづけながら写真を撮っていた。

 

 

 

太陽の光りは真っ黒な海を金色に照らし、鳥達も踊っているかのように飛んでいて、焚き火もうっすらしか目立たなくて、自撮りしているカップルも照らし、暴走族にも照らし、大地、すべての生命体に太陽の光りは暖かくも力強く輝きを与えていた。ファインダーから見えるその景色をひたすら撮っていた。僕にはもう撮る事しか出来なくて、ただただひたすらに撮っていた。気がつくと8時。仕事の時間も近い。不思議だ、太陽の光を浴びたからなのか僕の顔は少し赤い。酒を呑むわけでもないのに。

 

 

父は今。

考える時間を、

乗り越える力強さを、

僕に与えてくれている。

 

 

2019年1月20日

18時40分

 

 

 

Please reload

特集記事

I'm busy working on my blog posts. Watch this space!

Please reload

最新記事

April 26, 2019

Please reload

アーカイブ