こめかみに一発


「こめかみに一発」最近はそんな風に思う。 桜は相変わらず、ただひたすらに美しく咲き、あっという間に散っていく。僕はその景色と「今、父が生きていたら僕の考え方をどう思うだろう」そんなことを毎晩考える。だがその答えは自分で見つけるしかない。占いを絶対に信用しない僕は、父の死を受け止める強さを、ようやく自分の全エネルギーに変えた。 9月に赤々舎から出版される最新作「私の肖像」は毎日ストリートスナップのような感覚で限界まで撮影している。そして個展開催に向けて一人。紙とペン、そしてPCに向き合っている。そこにオプションをつけると大好きな熱々の珈琲と日本中が嫌がるタバコだ。もともと僕は地方で一人、制作をしている写真家だ。改めて言うが周りにギャラリーや写真家仲間はいない。そんな状況の中で僕は黙々とやっている。 つまり今「例のやつ」が世界中の人と人との繋がりを自粛=禁止されている中。戸惑う写真家(写真家のみの話に限定する)がいるだろう。都市の写真家の作品は悔しいほど素晴らしい作家がたくさんいる。だが、精神力はどのようなものか。孤立した状態に慣れているのか。僕は何度も言うが慣れているどころではなく、昔からそれが当たり前になっている。写真芸術の情報が一切ない町に住み写真作品をやっているんだ。「例のやつ」が僕の邪魔をするのならば僕は必ず「例のやつ」に1,000倍返しする。「例のやつ」は、世界中の大切な人を悲しませ、苦しませている。それとは逆に環境汚染がなくなってきている。誰が何を言っても正解がないのが今の現状だ。「例のやつ」は人間模様をさらけ出してくる。 父の一周忌(2019年12月26日)まで僕は一切の個展も新作発表もしなかった。ただ黙々と作品と亡き父と向き合っていた。2020年、最新作の発表をスタートすると決めた。赤々舎から9月に初出版。そして9月下旬から11月まで東京で2本の個展開催。12月から大阪で個展開催。

すると「例のやつ」は現れた。

だが、最愛なる父の死を、頭の先から足の爪の先まで受け入れ、飲み込み。全エネルギーに変えた僕のパワーに「例のやつ」が勝てるはずがない。

僕の場合は"こめかみにストレートパンチを一発くれ"(映画Rockyの名言)これにつきる。

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