August 25, 2019

あれからどれくらいたったのだろう。昨年の年末に僕は最愛の父を亡くし、それからひたすら写真を撮っていた。このブログの沢山の言葉と共に。その写真達は僕の遺作と言っていいだろう。友人含め数名にしか見せていない。全く僕らしさがない父を追い求める写真達だった。まとまりもなく、評価にも値しないのかもしれない。僕はそれを6月まで「終わりがないなぁ」と思いながら撮っていた。いつもの興奮や達成感、エネルギーを感じることもなく宙に浮いたような自分がいてシャッターを押す指先がとても重たかった。


その写真達を世に見せることはないだろう。
だが、その写真達は決して無駄ではなかった。

宙に浮いていた気持ちはある日、ピタッと地に着いた。決定的な出会いと、決定的瞬間はこのことだろうか?僕は身震いし、興奮し、身体中にエネルギーを感じた...

May 20, 2019

毎日続いている雨。僕は雨が苦手で頭痛になる体質だ。作品撮りも雨の日は出来ない。これは昔からだ。ちょうどそのタイミングで新作をプリントする事になった。

新作は180点まで揃い、そこから70点に絞った。この時期には完成するはずだったが、まだ撮り足りないし完結まではいかない。だが、一区切り。形になっている新作をプリントしたくてウズウズしていた。夜な夜なプリント作業をしていくのは暗室と全く同じでとても楽しい。そして注文したてのポートフォリオが届く。一枚一枚入れていき見るとグッとくる。イルフォードのアート紙、プリントボックス、ポートフォリオ。新作を見せる事は、もちろんお金がかかる。僕は昔から譲れないのは写真作品はどんな時代になろうが、SNSで簡単には見せるつもりはない。海外のキュレーターにもデータでは見せない。...

April 26, 2019

5000年前、縄文時代の人々がある信仰をしていたと言われる岩崖に行った。車で30分ほどで着く場所だ。外は雨が降っていて霧も凄い。僕はお気に入りの"Jolene"を聞きながらカメラを持ち現地に着く。人気のある観光スポットで雨の中でも観光者がいる。しかし、下に進む道は非常に危なく、少しでも滑ったら海に落ちる。岩だらけの下り坂を降りると見えた。とてつもなく大きな深く高い洞穴とでも言えばいいのだろうか。神々に手を合わせる場所では「ここで振り返ったら龍の形に見えます」そのような看板がある。龍には見えなかった。僕はそこに集中せず、深い、とても深い洞穴の岩達を見つめていた。視界も慣れてきた。海の波は押し寄せてくる。上から落ちてくる水滴は大きく、岩にボジャンと弾け、よく見ると鳥の羽が無数に落ちていた。海から光が差し...

April 20, 2019

5ヶ月ぶりの台湾の空は相変わらず曇っていた。カメラを持ち飛行機から見える景色は何処にいようが変わらない。大きな空と地上。何も変わらない。それにしても45kgの荷物(作品、写真集)は、とてつもなく重い。常連のコレクターさんは作品を3点購入し、一般の方々は写真集とポストカードを購入していただいた。そして初めて出会う、もう一名のコレクターの方はポートフォリオごと欲しいと言うのでかなり困った。EDは考えていないし、保証書も作っていない、まともな梱包材料もない、値段も考えていない。それを伝えてもどうしても欲しいとのことで2日間悩んで金額を決め購入していただいた。「十一月の星」は男女問わず人気があり完売。「Collection」は男性に人気があるようだ。そして女性で購入してくれる方はかなり見た目も個性的。Col...

March 26, 2019

自宅の前の桜の木は少しずつ咲き始め、池を見るとおたまじゃくしの大群がいる。空を見上げると虹があり、雨も降り、雨雲の隙間から地上に差し込む光は美しい。どこに住んでいようがカメラと写真を通じて僕は地球を感じ自分を見つめている。設定はいつも通り取り返しのつかないモード。モノクロームと決めたらモノクロモードだ。そしてJPGモードでしか撮らない(この理由は今度ブログに残す)新たな相棒BMWの助手席にカメラのみを置き、駆け抜ける。ここかな、そんな時に駐車をし、そこから永遠と歩いていく。


どんな状態だろうが僕は写真家だ。次から次に目の前の光景に魅了され、ありとあらゆる事を撮影している。前にも言ったが写真家は忙しい。忙=心を亡くすと書くが、心なくしても魂がしっかりと記憶と共に記録してくれる。逆に心亡くすほど突き抜け...

March 20, 2019


僕は飛行機によく乗る。だが、カメラを持って乗ったことが殆ど無い。今、撮影しているシリーズで少しでも天に近い場所に行けないのだろうか。そんな気分で初めて地元以外で写真を撮った。現地に到着するまでひたすら撮影した。もっと高く飛ばないか、もっと別の世界を見たい。そんなこと思っていた。求めているものが見えてきて、現在新作は中間地点。もっと、もっと高く。


天候と視界が悪く飛行機は揺れる。窓から見る景色は真っ黒だった。だが、飛行機が雨雲から上がると、神々しい太陽が顔を見せた。その光に照らされた雲は実に美しく、この高さでないと撮れない光景だ。そして地上を見下ろすとこんなにも面白いものか、最高の気分で到着するまで撮影を続けた。



僕は毎年3月になると優れた写真家/美術家の写真集を購入する。今年、注文した...

February 26, 2019

ついさっきまで海はしばらく。と、書いていたのだけどある休日。僕は大地に向かった。全く嘘ばかりの行為に向かっていた。だからまた鳥達を撮りだした。鳥を撮ることは空を見上げることになり、鳥がいる場所は海。鳥達の原始的な動きを捉えながら、ふと見る海と空を再確認した。しかし今回のシリーズはとてつもなく長い。僕はいつも作品を数ヶ月で終わらせる。早い時は7日間で完結させたシリーズもある。昨年の12月から毎日のように撮り始め現在2月26日になる。これくらいになるとステイトメント、タイトルも少し見えてくるんだけど今回はまだ見えない。つまりただ、ただ撮ることが美しく、それしかなく、それ以上が現在ない。

僕は自分を俯瞰的に見てある人物にこう言った。

「たぶん僕は存在のあるものを明確に捉えて、飽きがこないように素早く終わらせる...

February 20, 2019

気持ちのいい晴れ。暖かい一日。ジャケットがいると思ったけどスーツだけで丁度よかった。朝からあれやこれやと準備をする。悲しいよりか、美しい旅立ちに思えて僕は母と姉と準備をしていた。そうだ、親戚の皆んなが来る前にお墓に花を添えて綺麗にしておかなければ。母に言われ急いで掃除をしに行ったけど、プロにコーティングを任せていた事を忘れていて、これがまたビックリするほどピカピカになっていて掃除も殆どいらなかった。さすが職人にはかなわない。

父が9年前に立てた新しいお墓には、僕が写したカメラを持った父の手の写真がお墓に彫られている。それがまたかっこいい。10年前、僕がまだフィルムを作品でギリギリ使っていた時代で暗室もまだあった頃だ。4×5、GX68、RZ67、大きくてお気に入りのカメラが沢山あるはずなのに父はNiko...

January 25, 2019

いつもと変わらない平日の朝。その日は曇り空で太陽の日差しが雲の隙間から少し見える。
風はとても強かった。真夏の入道雲にも似た雲は少し薄れて虹が見えた。僕は風の音と虹を見て慌ただしくも写真を撮った。光に照らされ影で浮かび上がった景色たちは、あっという間に姿を消すからだ。とにかく急いで虹に向かっていた。

 


様々なシリーズを作品にしてきた。

そして今、僕はふと思う。


「十一月の星」

"人間は生まれた瞬間から死に向かう。その生きていく過程での力強さ、サバイバル本能、神秘性。"


「Collection」

"形あるものは必ず崩れ、命あるものは終わりがある。その最後の姿を写真に残した。"


そして現在。

 

巨大な何かに向けて撮っている。まだ言葉には出来ない。だが、体と心がズシリと反応している。現在6...

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April 26, 2019

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